たとえ何十回春が来て過ぎたって
ももクロちゃんのことを書くためにブログを始めたわけではないけれど、書かずにはいられないので書きますね、
ももかが卒業した。卒業してしまった。
卒業発表を発表してからの一週間は、ふわふわと現実味がなかった。
当落に一喜一憂して、ライビュチケットの一般発売のためにひさびさにコンビニでどきどきしながら発売時間を気にしたりして。
ライビュ会場から本会場へのグレードアップがあると発表されたときはめちゃくちゃにうれしくて、結局グレードアップは無理だったけど、ライビュ会場はせめて幕張の空気を吸いたいという気の狂ったファンばかりだったのでとても雰囲気が良かった。
グレードアップの発表のとき、当選した人の周りがわあっと拍手して送りだしているのもすごい良かったなあ。
けれどそれでもまだどこか実感がなくて、なんだか夢を見ているみたいだった。
それなのに、1曲目の「Z伝説」が始まった瞬間、唐突に、ああ、この歌を聴けるのは今日が最後かもしれないと思ったら、一気に涙が止まらなくなってしまった。
そんで力いっぱいももかにコールを叫べるのも、今日が最後なんだ。
そう思ったら涙が止まらなくて、べそべそと泣きながら声を出していた。
2曲目はメジャーデビュー前の曲「未来へススメ!」。
きっと今日ひさしぶりにももクロの現場に来た人たちにもなじみ深い曲。
涙が止まらないかもしれないと思いながらの3曲目がももかセンター曲の「ゴリラパンチ」。
振付とコールの勢いでいつの間にか涙は止まっていて、その勢いのまま「仮想ディストピア」。
ライブ楽しいー!とテンションが上がりきったところで突然バラードの「白い風」でまためそめそと泣く。
すばらしいセトリだった。
ももクロの現場は久しぶりのひとにも、逆にごく最近好きになったひとにも楽しめるような選曲で、泣いたり笑ったり忙しくて。
「モノクロデッサン」のあと5人がステージに集まって、ああ、夢が覚めてしまう、と思った。
メンバーのひとりひとりがメッセージを送っていく。
みんながありがとう、お疲れさま、とももかとの思い出を語っていく中で、いちばん最後に夏菜子がぽつりと呟いた「10周年は5人で迎えたかった」。
もうこの言葉を聞いた瞬間に涙が止まらなくなってしまった。
ももクロちゃんはよく泣く子たちで、初めてのワンマンライブだった2010年の「ももいろクリスマス」はオープニングから感極まってぼろぼろ泣いちゃったりもしてたんだけど、いつの間にか夏菜子はめったに泣かなくなった。リーダーとして涙を見せないように意識していた。
わたしが覚えている夏菜子の涙は国立競技場でのライブが発表されたときなんだけど、そのときもみんな「泣いている夏菜子をひさびさに見た」と言っていた。
けれどももかにそう言ったときの夏菜子はちっちゃな声で、弱々しいふつうの女の子みたいだった。
太陽の化身みたいな、神々しいまでの強さをもつももクロのセンターではなかった。
最初に脱退したあかりんと、今回卒業したももかと、夏菜子は、同級生だった。
ももクロのメンバーで同学年なのはこの3人だけだ。
ふたりの卒業を見送る夏菜子は、どんな気持ちだったんだろう。
ももかが卒業を発表したあと、メンバーはみんなあっさりとしていて、大人になったなあなんてしみじみしてたんだけど、どんなに納得したってさみしいもんはさみしいに決まってるよね。
最後の最後、ももかはちっちゃな体でおっきな花束をよっつ抱えて、最後まで笑おうとしてくれていた。
あんなに泣き虫だったももかが、涙を見せまいとしてくれた。
ありがとう、ほんとうにありがとうね。
前回のエントリを書くときに極楽門の映像を見て、みんながあまりにも若い、というより幼いのでびっくりしてしまった。
初めて見たときから信じられないくらいに力強いと思っていたけど、振り返ってみるとみんなまだほんの子どもたちだ。
子どもたちが一生懸命自分たちにできることをやり続けて、あんなに強くうつくしく成長してくれた。
その様を、ずっとわたしたちに見せ続けてくれた。
これはものすごいエゴだけど、そういう姿を応援することができてほんとうにうれしかった。
うつくしいものを見せ続けてくれてありがとう。
そんでそのあと松崎シゲル氏がサプライズ登場して、ももクロ10周年記念ライブを東京ドームでやることを発表してくれたんだけど、自分でもよくわかんないんだけどここでいちばん泣いた。
何度も何度も、並大抵の松崎シゲルファンよりもたくさん生で聴いているかもしれない「愛のメモリー」で、あんなに嗚咽を漏らす日が来るとは思わなかったよ。
ももかがほんとうに卒業してしまった悲しみと、それが節目になってしまうことのつらさ、いつもとおんなじ演出をここでもってきてくれるやさしさ、その前に夏菜子が言ってた「10周年は5人で迎えたかった」の言葉、いろんなものがぐっちゃぐちゃになって、それはもうえげつないほど泣いてしまった。
東京ドーム、ぜったいに行きます。
みんなたちも良かったら見に行こうね。
そんで「あの空に向かって」を4人で歌うのを見て、ああ、ほんとうにいなくなってしまったんだなあと思ってまた泣いた。泣きすぎて帰り道頭がくらくらしたよ。
始まったものはいつか終わるし、永遠に変わらないものなんかない。
けれど、消えて行ってしまうものは、無かったものと同じじゃないって竹本くんも言っていたもんね。
ももクロのライブってだいたいみんなサイリウム両手持ちなんですよ(アイドルの現場はみんなそうなのかな)
SideMのライブに行ったときに「サイリウム片手持ちだと手持無沙汰じゃない?」と同意を求めてもまったく理解されなかったんですけど。
そんで、みんな両手推しの子のカラーとか、一推しと二推しのカラーとか、好きな色を持つんですけど。
ラストライブの日は会場が圧倒的に緑だったんだけど、わたしを含めてたぶんみんな自分の推しとももかの緑にしている人がすごく多かったと思う。
それでライビュの会場に、開演前にももクロちゃんが挨拶に来てくれたんですよ。
そしたらももかが「なんか緑多くない!?」って、ももかはそういうのすごく気にする子だったから。
途中でももかコールが起こったときも「ほんと怒るよ!」って言ってて。
けれどみんな、あの日はももかに少しでも大好きだったよって伝えたくて、どうしても緑にしちゃったんだと思う。
ももかが気を使われたくないって思ってること、みんな知ってたのにね。
けれどほんとうに、何色推しだったって、みんなあなたのことが大好きだったんだよ。
許してね。それから、どうか元気で。
あなたのこれからが、これまでと同じかそれ以上に、キラキラとすばらしいものでありますように。
くもも、かがやくよ
このところあまりにも本を読めていないので、2018年こそはきちんと本を読みたい。
そしてモチベーションのために記録に残したいなと考えていたのだけど、本だけじゃなく映画や音楽やそういうインプットをまとめて記録するには何が良いだろうと考えたらブログかな、と思った。
それでブログに長文を書くのならどうしても書きたいことがあったので、いちばんさいしょのエントリでももクロの話を書きます。
まずはなにも言わずにこの動画を見てほしい。
わたしはこの動画を見てももクロちゃんにハマった。2012年の春だ。
今でもはっきりと思い出せるんだけど、マニキュアを乾かすときのお供として、当時フォロワさんの何人かがハマっていたももクロとはどんなものかと気軽な気持ちで検索したら出てきたのがこの動画だった。
衝撃的だった。
女の子たちが汗だくで歌って踊っている。全身で叫んでファンを煽っている。
それまでアイドルにハマったことはなかったけれど、テレビで見かけるアイドルの子たちのイメージとまったく違っていた。
すごすぎてぶわっと鳥肌が立って、それからYouTubeにあがっている動画を片っ端から見た。どれも最高だった。
(ももクロちゃんは運営の好意?でいろいろな動画が削除されずに残っていて、映画「モテキ」に使われた「走れ!」の動画も公式動画じゃないんです)
すぐに調べたけどその年の春の一大事(ももクロちゃんの春ライブの名称です)には間に合わなくて、アマゾンで極楽門のDVDを買いながら祈るような気持ちで夏のバカ騒ぎ(こちらはももクロちゃんの夏ライブの名称)のチケットを申し込んだ。奇跡的に当選してそのライブでファンクラブの設立が発表されて、帰り道ごった返す人ごみの中で西武ドームから電車に乗るのを待ちながらファンクラブの入会を済ませた。
こんな風にいっぺんに坂を転げ落ちるみたいに何かにハマったこと、今までのわたしの人生になかった。
社会人になって懐に多少の余裕があったということもあると思うけど、それくらい衝撃的だった。
それでさっきの動画の2:08あたりで紐のほどけた靴を勢いよく投げているのが、今週卒業を発表した有安杏果ちゃんだ。
その頃のこの動画のコメントには、このももかが靴を投げていることとか、れにちゃんのマイクが途中で手持ちの物に変わっていることなんかを教えてくれるものがあって、わたしはそういうのをいちいちチェックしては震えていた。
すごい、すごすぎる。
この動画のライブは2011年の夏。ももクロちゃんが単独ライブをするようになってから約半年。
彼女たちのパフォーマンスは、未熟さも含めてすべてが完璧で、見ているだけで心の奥から沸き立つものがあった。
ももクロちゃんはいつだってわたしにとってそういう存在だ。
信じられないくらい全力のパフォーマンスで、とてつもなくキラキラとしたすばらしいものを見せてくれる。
それはこっちまで頑張ろうと思えたり、応援している自分たちまで誇らしいような気持ちにしてくれる。
言い忘れていたけど、わたしはももか推しではなく、ピンクのあーりんこと佐々木彩夏ちゃん推しだ。
けれど、たぶんわたしを含めてほとんどのももクロファンは、前提として箱推しなのだと思う。
ほかのアイドルに真剣にハマったことがないので比較できないけど、ほとんどのももクロファンは個人単推しではなくて、「ももクロちゃんみんな大好き!!!だけど、どうしてもこの子が特別好き!!!」というスタンスだ。どの子を推していても、5人でいるももクロちゃんが大好きだ。
(前提として箱推しなので、公式から出ている箱推しグッズに「優柔不断」と書かれたりする)
だから、誰推しとか関係なく、それぞれのメンバーに思い入れがある。
わたしも、ももかに対して印象的なエピソードがひとつあって、なぜか三日間連続で西武ドームでやった2014年のファンクラブイベントのときだ。
わたしは三日間全通だったんだけど、三日中二日がアリーナ前方という神がかったチケット運だった。
それでトロッコ移動のときにたまたまももかの乗ったトロッコが近くを通ったんだけど、二列くらい離れたところにいたももか推しの女の子が、ぬいぐるみにおそらく手作りのももかの衣装を着せて持っていた。
トロッコが通り過ぎるとき、その子はももかにそのぬいぐるみを一生懸命振っていて、それがちょうどももかの目に留まり、ももかはそのぬいぐるみを指さして大きく口をあけて笑った。心からうれしそうな笑顔だった。
ももかが通り過ぎたあと、その女の子はおそらくうれしさで泣き崩れてしまい、二列後ろからそれを見ていたわたしは盛大にもらい泣きした。アイドルにファンの思いが通じる瞬間があることをはじめて目の当たりにして、そのうつくしさに涙が止まらなかった。
ももかはいつだって、そういう細かいことに気が付いてくれる女の子だった。
いつも遠慮がちで、念願の国立競技場でのライブとももかの誕生日がかぶってサプライズ演出があったときも、競技場全体が緑に染まったのに感激したあと、「みんなの推しの色に戻していいからね」と照れたように笑っていた。
泣き虫で、わたしが初めて見に行った2012年の西武ドームの夏のバカ騒ぎで、登場した瞬間から泣いていた。わたしもいっしょに観にいった友だちも、興奮しすぎて現地ではそのことに気づかなくて、あとから円盤鑑賞会をしたときに知ってふたりして号泣してしまった。
ももクロちゃんのほかの子たちが暴走しそうになったとき、そっと引き留めてくれるのも、ももかだった。ものすごくまじめで、一生懸命な子。なのに突然ステージででんぐり返しをしたりする。国立競技場ででんぐり返しをしたあと、突然「パンツ見えた!?」と我に返るので大笑いしてしまった。
だめだ。
あとからあとから、些細な出来事を思い出しては泣いてしまう。
この何日かはずっと泣きっぱなしだ。
だって卒業してしまったら、そういうももかをもう二度と見れないのだ。
わたしがももクロちゃんにハマったのは2012年だから、わたしはZになる前のももクロを知らない。
なんとなく、ももクロの中でもう卒業なんてなくて、ももクロが見れなくなるのは解散するときだろうと思っていたという意見をたくさん見たし、私自身もそう思っていた。
卒業発表があった夜のWEB中継の中で、ももかが今後のことを聞かれてこんなことを言っていた。
今まで何年も何年も、仕事のためのスケジュールをこなしてきたので、なんの予定もない日々を過ごしてみたい。
次の予定のための準備としてのオフではなく、完全なおやすみを過ごしたい。
それを聞いてハッとした。
わたしは、ももかが照れたように首をすくめてうふふっと笑う仕草が、何年たってもふつうの女の子みたいですごく好きだった。
うふふっと笑うようなふつうの女の子が、何年も何年も終わりの見えないスケジュールを走り続けていたことに、そのときようやく気がついた。
ももかだけじゃない。彼女たちは「ももいろクローバーZ」というアイドルである前に、ひとりひとり生身の人間の女の子だったんだ。
以前ももクロちゃんの中でゴシップ記事が出たときにも、わたしはしたり顔で「みんなふつうの女の子なんだからさあ、むしろ楽しい恋愛くらいしていてほしいよ」なんて言ってたくせに、そのことをぜんぜんわかっていなかった。
アイドルは宗教に似ているというか、ひとつの信仰だとわたしは思っている。
キラキラのパフォーマンスを見せてくれる彼女たちに元気や勇気をもらい、それを少しでも返したくて大声でコールを叫ぶ。
今までずっとそれをすばらしいことだと思っていたし、アイドルはいいぞ、と言い続けていた。
けれどわたしたちは、そのうちに信仰の対象が生身の人間であることを忘れてしまう。
ももかの答えを聞いた途端、わたしは涙が止まらなくなってしまった。
ゴールの見えないスケジュールを走り続けることが、どれだけ大変だったろう。
好きならばがんばれるなんていうのは嘘だ。
走り続けるっていうのはものすごい体力と気力のいることで、それを何年もこなせるというのはものすごく特別な才能で、そんな子がふつうの女の子なわけがない。
特別がんばってきた女の子が、もうここまでって走るのをやめたからって、誰にも責める権利なんかないのに。
ありがとう、ほんとうにありがとう。
そしてごめんなさい。
けれどももかは絶対に、わたしたちにごめんなさいなんて思ってほしくないに違いない。ももかはそういうやさしい子なんだ。
卒業ライブのスケジュールのタイトさに、不満のある人たちはたくさんいると思う。
けれど発表されているバレンタインライブや春の一大事ではない卒業ライブは、すごくももからしいなと思った。
どこか遠慮がちな、ももからしい卒業ライブ。
ここまでタイトなのは本人の意向ではないということも説明されたけど、大げさではないひっそりとした卒業ライブを、ももかはうふふって望んでいた気がしている。
ところでわたしは、五人でのラストライブのチケットに外れてしまった。
くやしいと言うよりも、ものすごくショックだった。
行けないことなんて、微塵も考えていなかった。
けれど外れてしまった人たちはみんなそう思っているだろう。
どうかチケットが手に入った人たちは、いつもと同じようにめいっぱい楽しんでももかを送り出してあげてほしい。
ももクロちゃんには「8文字コール」と呼ばれるコールがある。
国立競技場でのライブが発表された2014年の極寒の西武ドームでのももクリ、発表のあとの「あの空へ向かって」で、泣きじゃくって歌えなくなってしまったれにちゃんに、れにちゃんの8文字コール「笑顔がいちばん、れにちゃん!」をかけるとき、わたしは号泣していた。たぶんまわりもみんな泣いていたと思う。
真冬の西武ドームはしぬほど寒くて、いいかげん西武ドームへの謎のこだわりを捨ててくれと内心ブチ切れていたんだけど、あのときあの場面でれにちゃんにあのコールをかけることができてほんとうに良かったと思う。
ももかの8文字コールは「元気でありやす、ももか!」。
幕張メッセでの卒業ライブできっとこのコールをかけるだろうし、そのときもみんな泣いているだろう。
泣きながら、でも大声で叫んでほしい。
わたしたちはももかからすばらしいものをたくさんもらったし、それはももかが卒業したからと言ってなくなってしまうものではないのだ。
ももかのいるももクロが大好きだった。
卒業発表のあと、メディアに出るたびにももかが何度も何度も、「わたしは卒業するけど、これからもももクロを応援してください」と言ってくれて、最後までももクロのことを考えてくれているのがうれしかった。
ももかがいたももクロが大好きだったけど、わたしたちはこれからもももクロを応援していくから、どうか安心してゆっくり休んでほしい。
そしてわたしたちがもらった何倍も何十倍ものしあわせが、この先ももかにえんえんと降り注いでほしい。
もしもライブビューイングがあれば、わたしもそういう祈りとともにももかのコールを叫びたいなと思う。